「護られなかった者たちへ」日本の貧困実態

日本の貧困

日本の貧困について

この映画は、日本の老後貧困に焦点を当て、それに関連した「生活保護」に関わる人々の実像が描かれています。私は「生活保護」の意味は知っていましたが、その実情は全く無知で、「護られなかった者たちへ」という小説を通じて知ることができました。

私の経験

子供の頃は、戦後の復興期で近くの川に小屋を立てて住んでいた人たちがいました。彼らがリヤカーを引いて歩いているのを見ていました。現在は、そのような光景はなくなり、社会も豊かになってきたと思っていました。それほど過去ではないが、バブル全盛、1億総中流と言われた時期もありました。お金を湯水のように消費し、TVで「若い女性がお立ち台に上がり扇子を振り回す姿」が映し出されていました。日本の経済的繁栄は、誰もが続くものと考えていましたが、バブル崩壊が起こり繁栄を謳歌した時代も終わってしまいました。この恩恵を受けた団塊の世代は、既に現役を引退し多くの方は「悠々自適?」の年金生活を過ごしておられます。

貧困の連鎖

この本では、普通には働いていても、高齢になると衣食住に欠く状態に陥る老後貧困があり、公的援助の「生活保護」に至るケースもあるという衝撃的な内容です。高齢者が生活に行き詰まり、恥ずかしさを抑えて役所に「生活保護」を申請しても、役所の担当は申請に必要な書面(親兄弟の支援の有無等の確認等)の提出を求め、申請がスムーズに通らないのが実情のようです。そこには、申請者の担当者の杓子定規な対応に対する不信感が、犯罪を誘引する要因が芽生え増幅されてしまうことがあるのかもしれません。読後、最後まで私の心に残っている悲しい表現は「貧乏は、本人は元より、子供も貧乏になり、その先の孫も同じで、貧乏は連鎖していくことだ。」です。貧困は、個人の努力だけでは抜け出せないことを的確に言い当てていると思います。

貧困の原因及び対策

原因

難しいですが、一言で言えば、「日本の社会構造の変化に対応できる態勢」ができていないことではないでしょうか。要因の一つ目は、少子高齢化に伴う人口減少で、数年先には日本国力の衰退を招く恐れがあると言われています。2つ目は、医療の目覚ましい進歩で、平均寿命が伸び将来人生百年時代を迎えようとしている良い反面、予算全体の中で社会保障費が膨らみ国家財政の大きな負担をかけているところまで来ているような気がします。

対策

国民全体の低所得者層の所得のレベルアップを図ることが優先すべき課題と考えます(行政等の取り組み)。それには、高所得層と低所得層の間の適切な所得の再配分する仕組み(税金対策、補助金制度等)を更に進めていくことが重要なのではないでしょうか。私は、個人、企業等の寄付による社会貢献での支援も否定はしませんが、あまり賛成もしません。

最後に

老後貧困は、誰にでも起こる可能性があることを考えておくこと。そして、無理のない生活資金をどう積み立てるか常に考えること。最悪の万策尽きたときは、生活保護の利用をためらわないこと。

私の対策

幾つになっても働くことが、健康管理や資金管理の解決になる最良の対策です。私は、コロナ禍の中でも毎日通勤しております。併せて個人レベル、グループ等で対応できる地域ぐるみの対策を引き続き考察していきたい。

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